カタログは夢の本
―― いろんな品種にチャレンジなさっているんですね。
和則さん:果樹はまだまだ種類も本数も増やしたいと思ってます。四季折々の果物が収穫できるようにしたいんです。
―― さかもと葡萄園さんも、いつもカタログを見ながら、次に植える品種を考えてるっておっしゃってました。
由香さん:あなたも、だーい好きよねえ。苗木のカタログ(笑)。
和則さん:・・・なにを、また、そんな遊んでるみたいな言い方して!!仕事をやってるんだよ、俺は・・・
もう。いつも、外にいないと、「遊んでる」みたいに思われるんですよ。
由香さん:あらあら、そんなこと一言も言ってないですよ。
―― 目が語っているっていうことですね(笑)。えっと、遊んでいない・・・ではなく、外にいるときはどんなお仕事を?
和則さん:最近は、だいたいイノシシ対策の仕事と、栽培の比率が半々です。今、山の状態がひどいんです。水はけが悪いところが多いので、排水の改善のための溝が必要なんですけど、溝を掘るとだいたいイノシシがそれを埋めていく。イノシシは水場が好きだから。パイプを埋設して溝を埋められないようにするしかないんです。今、そのためにユンボ買おうか迷ってるところ(笑)。
自然栽培だから、自然との関係性を保つのが大変ですよね。いろいろなところに農地があるから適地適作するんだけど、自然のままだからこそ、どこに何を植えるか、見極めるのが難しいし。
―― 元屋さんをそこまでさせしめちゃう農業の魅力ってなにですか。
和則さん:特に自然栽培の場合ですが、無肥料・無農薬なので、種や苗さえあれば何もいらない。そのシンプルさが魅力ですね。
―― これからの展望ってありますか?
和則さん:これからはもっと仲間を増やしたいと思っています。農業で生活していける仲間が増えてほしいし、そういう人をできる限りサポートしたいなと。「農園もと屋」でも、あと2、3年後には農地が増やせると思うので、研修生を一人くらい入れたいなと考えています。人が一人増えれば、1+1は2以上になって、楽しくなるかなって。