―― お話をお伺いしていると、なんとも理想的な親子関係だし、理想的な世代交代がなされている感じですね。
昭代史さん:そうだよ、なかなかできないですよ(笑)。
私が新卒で会社に入った時は、年齢が高い先輩ばかりで、ジェネレーションギャップもあるし、いろいろと苦労したんです。だからこそ、私が社長に就任したときは、新卒者の採用を心がけてきた。今、中心的にがんばってくれているメンバーは、そのときに採用したメンバーですし、ちょうど息子と同世代になります。50人足らずの会社ですからたくさんの採用はできないですが、今でも同じように、毎年1、2人は新卒者を採用しています。リクルート活動や、労働条件、設備も含めて、時代の環境に適応していかなきゃ企業って残れないから。そういう意味での努力はし続けています。
昭都史さん:正直、僕らのやっている仕事は裏方です。何に価値があるかというとやはり「地道なことを続けていくこと」なんです。最近の子たちは、よりももっと華やかに見えるところのほうに惹かれますが、実際に働いてみて、やりがいがわかってもらえるとまた違うかなと思ってます。そういう意味でも、これからは私たちが作っている製品がどこに使われているかということも含めて、アピールしていく必要があるのかなと考えています。
―― 素晴らしいですね。
さて、いつも一番最後に、みなさんにとってお仕事する上での「宝」を聞いているんですけども。お父さん、これはもちろん…
昭代史さん:息子だな(笑)。そしてもちろん社員のみなさんも、大切な宝だね。
(取材:安江雪菜 撮影:下家康弘 編集:鶴沢木綿子)