――予想外の展開だったんですね。
谷口さん:本当、その記者の方には非常に感謝しています。異動で遠くに行かれてしまったんですけど、今でも彼の名刺はうちの神棚に祀ってあります(笑)。
――神棚とは。額に入れているかなとは思いましたが、予想を超えてきましたね。
谷口さん:実際、いちじくのおだまきから派生していって、いろんなおだまきを作るようになりました。最終的に5種類になるんですが、種類は徐々に増えていったんです。箱に入れる時、いろんな色があったほうがカラフルでかわいいんですよね。今の人って視覚で入るところも大きいので、味はもちろん、見た目の華やかさとか可愛さもだいじなんじゃないかと、気がついたきっかけでもありました。
――これからも、新しい「おだまき」は誕生しそうですか?
谷口さん:常に考えてますよ。今はね、シャインマスカットのおだまきを考えています。ルビーロマンもなんとかしておだまきにしたいけど、できても、1個数千円になっちゃうんで・・・。そんなもん、「おだまきにせんと、そのまま食わせろ」って話になるんで(笑)。とにもかくにも、町の食材と絡めたお菓子を作りたいですよね。
町のみなさん、いろいろとアイデアくれますよ。ハトムギとか、チンゲンサイとか・・・。
小学校の授業でも新しいおだまきを考えたりしてくださっているようで、「こんなの考えたんで作ってください」って小学校の生徒たちが来たりします。正直、内容はむちゃくちゃですが(笑)、ありがたい話ですよね。地元のおだまきを愛してくれて、新しいおだまき想像して作ってくれるなんて。
――地元に愛されてるんですね。お菓子のアイデアって考えるのも楽しいんですよね。
谷口さん:やっぱり楽しいですね。うちはおだまき以外のお菓子も作っているんで、私の息子も、あんなの作ってみたい、こんなの作ってみたいって言うんですよ。色々と挑戦してみればいいなって思います。
――息子さんも一緒に働いていらっしゃるんですね。
谷口さん:今、働いてるのは次男です。うちは男の子が3人いるんだけど、真ん中の子です。結構イケメンなんですよ。長男は長男で、うちを継ぐつもりで金沢の和菓子屋修行中なんですが、これがまた時間かかりすぎてて、なかなか帰ってこないんですよ(笑)。店は、基本的に家族4人で経営してます。
おだまき愛はスマートホンの中にも。写真は春限定、いちごおだまき